介護問題、これから増えても減ることのない問題ですね。介護難民などという言葉も昨今囁かれるようになりました。そんな中、親の介護を血のつながっていない長男嫁がしているケースもあると思います。ご存じの通り、法定相続分はありません。では寄与分(財産形成や介護等特別な寄与をした相続人に対し財産を多く相続できる制度)はどうか?
民法には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」とあり、認められるには高いハードルがあるのが現状です。答えは×。こんな中、長男の嫁に報いる法律として2019年に「特別寄与料」制度が創設されました。これは、相続人以外の親族が無償で被相続人の療養看護等を行った場合、相続人に対し金銭を請求できる制度です。介護日誌をつけたり領収書等を保管しておくことがポイントになります。
では、この特別寄与料制度は使い勝手の良い制度になるのでしょうか?やはり、他の相続人にとってはあまり面白くないことですし、寄与料を請求することでその後の親族関係がギクシャクすることも想像できます。相続開始前に出来ることは①遺言で長男嫁に遺贈する②長男嫁に生前贈与する③長男嫁を受取人とする生命保険に入る④長男嫁を養子にする、こと等が挙げられます。
制度的には多少整備された感はありますが、あくまで最後の手段と考えた方が良いと思います。可能な限り、相続開始前に上述対策をしておくことが残された親族への愛情を含めた務めではないかと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。ではでは。